こちらは「一般人との結婚に悩む二世へ〜前編〜」の続きとなります。
これは私の問題ではない、親の問題
結婚するまでの期間は本当に大変でした。
ただ籍を入れるだけなのに何故こんなに苦労しなければならないのか。
結婚式や顔合わせなど一般の人がいともたやすくできることを何故できないのか。
何より本来おめでたいはずの結婚を、何故親に祝われるどころか罵倒ばかり受けなければならないのか。
とても悔しく悲しく、この宗教を改めて憎みましたが、これは「親自身の問題」ということにある時ふと気づきました。
今思えば両親は最後まで私の結婚を認めず抵抗し、挙げ句の果て「早く離婚しろ」と呪いの言葉を吐き続けていました。
子供が宗教の道を逸れることにより、自分達が長年命懸けで信仰してきたものが崩壊してしまったのです。親自身も不安で恐ろしくてたまらなかったのでしょう。
つまり、彼らが盲信しているものによって彼らは苦しみ、苦しみのあまり私に呪いの言葉を吐き続けていたのです。
これは私のせいではありません。
また、私にとって結婚までの過程は、親の期待を一つ一つ手放していく過程とイコールでした。
私がこの世に生を受けた時、親はきっとこう信じていたのだと思います。
人類史上初めて産まれた原罪の無い「神の子」。
きっと神様の辛さや思いがわかる子だ。神様(親)を裏切るわけがない。一世の私たちより熱心な信仰を持ち、純潔を保ち、祝福を受けて三世を産んで、血統を引き継いでいってくれるはず。
私達の苦労はそれではじめて報われる。
しかし実際の私は信仰を持たず最も重罪とされる一般社会での恋愛結婚をしました。
親の希望を破り捨て、裏切り、落胆させてきました。
しかし親が望んでいた私は本当の私ではなく、彼等が教義により作り上げた偽りの私でした。
勝手に虚像を作り上げ、それに添うように育たなければ罵倒するなんて、何と身勝手なのだろうかと今では思います。
「これは私の問題ではない、親自身の問題」
それに気付いてからは気持ちが楽になり、本当の意味での自分の人生を生きられるようになった気がします。
結婚して良かった
結婚後、実家から遠方に越した私は大好きな夫との穏やかな毎日を手に入れました。
今は結婚して本当に良かったと思います。
幸せそうにしている私を見て少し安心したのか、親から「相手に会いたい」と言ってくるようになりました。
しかし私の両親は急にスイッチが入り暴言を吐く人種のためそれを夫にそれを吐かれるのが怖く、コロナを理由に断り続けています。
現在、親との連絡は必要最低限のみです。
私の両親は群を抜いて狂信的なため偏ったケースだとは思いますが、親の信仰のスタンスや関係性などによって結婚への進め方はケースバイケースだと感じます。
どちらかといえば相手や相手の親に理解を得ることが難しいパターンも多々存在すると思います。
結婚は家の問題とも言いますが、私はあくまで当事者の問題だと思っています。
親のことはいったん抜きにして、2人がどうしたいのか今一度立ち返り、未来に向けて話し合いを重ねることが大事ではないでしょうか。
苦しむ宗教二世に伝えたい
あなたの人生は誰のものでもない、あなただけのものです。
親のことを思いやるあまり、あなたの気持ちを押し殺し、未来を閉ざす必要はけしてありません。
自分のために生きて幸せになることはけして悪ではありません。
親よりも神様よりも教祖よりも他人よりも、まず第一に幸せにならなければいけないのはあなた自身です。
あなたの境遇に共感し、寄り添ってくれる仲間はたくさんいます(特にTwitterにね!)。
かつては誰にも家庭の悩みを言えず、毎日人生を悲観し、「死にたい」と泣いていた私がこんなに穏やかで豊かで幸せな毎日を手に入れるとは想像だに出来ませんでした。
あなたがあなたらしく、自分だけの幸せを見つけて生きられることを心から願っています。
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