結婚、特に信者ではない一般の方との結婚は宗教二世が直面する問題でも大きなテーマのひとつだと思います。
少し長くなりますが、実親から反対を受けつつも一般人との結婚に至った統一教会二世である私の体験談と二世へのメッセージを2回に分け書きたいと思います。
恋愛結婚は重罪
統一教会には「純潔(童貞処女)を守り、神を中心とした結婚(「祝福」と呼ばれる)をし、神の血統へと変わった祝福二世にも祝福を受けさせ、後世に延々その血統を繋いでいく」という核になる教えが存在します。
そのため、二世が二世以外の一般人との恋愛や性交渉、結婚することは重罪かつ許されない事とされていました。
私の両親は非常に熱心な信者で、子供が祝福を受ける時まで血統を守ることを何よりも重視しました。
恋愛的な「好き」という気持ちすら知らない幼少期より「人を好きになってはダメ、なられてもダメ」と口酸っぱく言われ、言動を監視され育ちました。
思春期より信仰心を無くした私は、その後も教会の推奨する「祝福」を選択できず、悩みながらはじめて一般の異性と付き合ったことがあります。
しかしそれが両親にバレてしまい、怒り狂った彼らに「お前が性交渉したら家族や先祖もろとも地獄の底の底」「色情魔」「人間のクズ」と毎日罵られ無理やり別れさせようとさせられました。
その後紆余曲折を経て実家を出た後は何人かの一般の方と付き合いましたが、どうしてもうまく行きませんでした。
それでも1人は寂しい
両親からの抑圧や罵倒がトラウマとなり一般人との結婚は長年考えられませんでしたが、そんな私が紆余曲折を経て
「それでもパートナーが欲しい」
「結婚したい」と強く思うようになります。
婚活のようなことを試行錯誤しながら行い、最終的に今の夫と出逢うことができました。
夫には交際当初より宗教についてカミングアウトしましたが、予想以上にすんなりと「大変だったね」「こちらは全然気にしないよ」と受け入れてくれました。
また、相手のご両親に結婚の挨拶に行き、説明した際も「あなた達が選択したことなら」と反対されることはありませんでした。
相手方は宗教に偏見が無く寛容な方達だったと思いますが、それに加え
「信仰を持っているのは親のみで、自分は全く信じておらず、今後親には一切宗教面で関わらせるつもりもない」という私のスタンスを明確に伝えたこと」
が安心感に繋がったのかもしれません。
実際、私は親が相手方に布教をしてきたら縁を切るつもりの覚悟でした。
一般の方々は「布教されるかも」「自分達や家族に影響があるかも」といった不安があると思いますので、それを出来る範囲で解消しておくことが大切なのかもしれません。
両親の抵抗
一方で私の両親からは凄まじい抵抗がある事を予想していたため、まずは事前に交際中の方がいることを「殺されるのでは」という恐怖を抱きながらカミングアウトしました。
両親は以前のように激昂する素振りは見せないものの「もう死んでしまいたい」「今までやってきたことは何だったのか」とひどくショックを受けた様子でした。
結婚を決めた時、改めて両親に「この前話した人と結婚を考えているから、一応けじめとして2人で挨拶に行きたい」と話しました。
しかし「絶対に受け入れられない」「神様を中心としない結婚なんて」「再堕落だ」「会う気にならない」と繰り返されます。
少し時間をおいた方が良いのかと思い、数ヶ月後に同じ話をした時も「とっくに破局したと思っていた」「ショックすぎて覚えてない」「そもそも教えを本当に分かっているのか?」と教義を一から話され、話は平行線のままでした。
当初はせめて挨拶だけでも、と思っていましたが、いつまで経っても現実を受け入れられそうにない親の様子を見て「無理に会わせる必要はない」「私は私で幸せになってその姿を見てもらうしかない」と感じました。
認められることがないまま入籍へ

結局、親と相手を一度も会わせることなく、承諾を得ることもなく予定通り籍を入れました。
入籍は事後報告、結婚式も行わず、フォトウエディングで済ませました。
後編へ続きます。
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