★与えられていた教えから→自立した思考へ
「何を基準に信仰するかしないか決めればいいのかわからない。」
「考えているのに、考えろと言われる。」
「うまく言語化できないけど、親が信仰している思想を受け入れられない。」
「何かおかしい。」
そんな時、宗教2世さんたちの中には、神を信じていない人たちはどうやって物事を考え、判断を下しているのかわからない…と疑問に思い、困ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
というのも、カルト2世の私自身がそのような経験をしました。
同じような悩みのド壺に今ハマってしまっている方へ向けて、3回に渡り、助けになれるような情報提供を試みます。
いきなりですが、
【何か信仰がある人】と【特に信仰するものがない人】の違い説明を試みると、
【何か信仰がある人の思考】・・・信仰を軸に、その教えを手がかりに世界を解釈する。教えの中に既に答えが示されている。その示されている答えの中で物事を解釈する。
一方
【特に信仰するものがない人の思考】・・・論理的な思考をする人が多い。論理的な考え方は「考え方」があるだけで、答えは最初から示されない。しかし、考え方を知っていれば、自分で考え、自分で答えを導き出す手掛かりにできる。
(※以上はわかりやすくするため極端な例。数的な問題は論理的に思考するが精神的な分野は宗教解釈な人、宗教に従事しているが医療の判断が必要と感じた時には医師の判断に任せる人…実際は思考の組み合わせは複雑で様々。)
と以上のように言えるかと思います。
★論理を学び始める為に有効な参考動画
以下には、論理に関しての簡略的な説明や、学びの初歩として参考になるテレビ番組「ロンリのちから」をご紹介していきたいと思います。
“論理的思考”と言われると小難しそうで取っ付きにくいと感じるかもしれませんが、実は多くの人が小学校から習う算数も論理的思考方法の一種です。
数的論理は算数や数学として多くの人が習い、経験したことがある思考方法です。
しかし、言語を使った論理となると、義務教育の中でしっかりと教わることは無かったという人が多いかと思います。
論理的な考え方は、教わらないと身につかないことが多いので(一部の人は生まれつき論理的に考えることが得意な人もいます)、論理的思考(ロジカルシンキング)をドラマ形式で簡単に教えてくれる、NHK教育番組を「ロンリのちから」の視聴をお勧めします。
以下にNHK教育テレビ「ロンリのちから」のリンクを貼らせていただきます。
NHK教育 高校講座
ロンリのちから
三段論法
誤った前提・危険な飛躍
逆さまのロンリ
接続表現 ことばをつなぐ
水掛け論 理由を言う
暗黙のロンリ
仮説形成
否定のロンリ
類比論法
合意形成
見せかけの根拠
推測の確かさ
「だから」に反論する
因果関係
ニセモノの説得力
事実・推測・意見
問題を整理する
横ならび論法
ずれた反論
異なる意見を尊重する
全20回
※2024年3月公開終了予定
番組内容要約
※下記に内容の第1回から第3回までの要約を補足することを試みました。
⑴三段論法
三段論法: 推論方法の1つ。2つの前提から結論を導く推論のしかた。
推論: 前提から結論を導くこと
☆正しい三段論法
例:
鳥は卵を産む 鳥(全体)
ペンギンは鳥 ペンギン(一部)
だからペンギンは卵を産む (結論)
(全体)のことを言ってから、(一部)を言う。
正しい三段論法は非の打ちどころがないくらい、当たり前。
★誤った三段論法
例:
ペンギンは空を飛べない ◯ ペンギン(一部)の事実
ペンギンは鳥 ◯ ペンギン(一部)の事実
だから鳥は空を飛べない × 鳥(全体)に対する誤った結論
部分的には正しいが、結論が間違っている。
(一部)が(全体)に飛躍している。
例:
私はあなたが嫌い 私(一部)の事実
私は女子 私(一部)の事実
だから女子はあなたが嫌いなの 女子(全体)に対する誤った結論
※例としてあげている文章は説明しやすいように簡略化していますが、
三段論法にはいくつか種類があり、実用では複雑な文章になることがあります。
三段論法の消去法
例:
昨日の夜、会ったのは帽子屋かウサギだ。
帽子屋ではない。
だとするとそれはウサギだ。
⑵誤った前提・危険な飛躍
★前提が誤った推論
例:
高校生は勉強が嫌い ✖︎(前提が誤っている。前提があやふや。)
私は高校生だ ◯(事実)
だから私は勉強が嫌い ✖︎(誤った前提から誤った結論が導き出された)
【推論が正しいためには】
•飛躍がないこと
•前提が正しいこと
☆正しい前提
例:
感情を持つものはアンドロイドではない ◯ (正しい前提)
マリーは感情を持つ ◯
よってマリーはアンドロイドではない ◯ (正しい推論)
★前提が誤った推論
例:
前提1 ブランド品を沢山持っている人はオシャレである ✖︎ (誤った前提)
前提2 私はブランド品を沢山持っている ◯(事実)
結論 よって私はオシャレである ✖︎ (誤った結論)
【飛躍とは】
その前提からは導かれないことを無理矢理結論してしまうこと。
飛躍した推論
例:
前提1 あの塾は合格率が高い ◯(事実)
前提2 僕はあの塾に入る ◯(事実)
結論 だから僕は必ず合格する。✖︎(飛躍:合格者数が多いだけなのに勝手に自分をその中に含めている。)
★『結論』は正しいが間違った推測
例:
アリス(少女)は猫だ ✖︎(めちゃくちゃな前提)
猫は空を飛べない ◯(事実)
だから、アリスは空を飛べない ◯(めちゃくちゃな前提、しかし結論は正しい。)
例:
ウサギは亀だ ✖︎(誤った前提)
亀は卵を産めない ✖︎(誤った前提)
だからウサギは卵を産めない ◯(しかし結論は正しい)
結論が正しくても、前提を誤ると、また誤った前提を用いて推論する可能性があります。あらぬ結論を導き出さないように前提も正しいか事実かよく考えましょう。
⑶逆さまのロンリ
『逆は必ずしも真ならず』
例:
図書館には本が沢山有る
逆に言うと
本が沢山有るのが図書館だ →本が沢山あるのは図書館だけ?(だけではない。)
真偽を正すには疑問文にして問いただす。のが有効。
例:
テディベアはぬいぐるみだ
逆に言うと
ぬいぐるみはテディベアだ
→ぬいぐるみはテディベアだけ?(テディベア以外にもぬいぐるみはある。)
例:
午後10時を過ぎているなら、あそこのレストランは閉まっている
逆に言えば
あそこのレストランが閉まっていれば、午後10時を過ぎている
→あそこのレストランが閉まっていれば午後10時を過ぎているのか?(定休日かもしれないのでそうとも限らない。)
「見たものを食べる」≠「食べるものを見る」
「もらえるのは好きだ」≠「好きなものがもらえる」
「寝る時に息をする」≠「息をする時に寝る。」
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…と、「ロンリのちから」では基本的な思考方法の説明が20回に渡り続いていきます。
以上のように文字を並べられてもよくわからない!と思われる方も多いと思いますので、
是非、テレビやホームページから内容を確認してみてください。(「ロンリのちから」は2024年3月で公開終了予定なので高校講座シリーズで論理を教える後続番組などが公開されましたらそちらをチェックしてみて下さい!」)
考え方を知ることで、これから信仰するかしないか、しないかの判断を助け、
これから何を軸に生きていくのかを明瞭にできるかと思います。
以上にご紹介しました内容は基礎ですので、これをきっかけに様々な思考方法の応用へと学びを深めてみて下さい!
2023年11月11日
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