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結婚について悩んでいる二世の方へ 一般の方と結婚したわたしの体験談

更新日:2020年5月6日


こんにちは。統一教会二世の、いちといいます。


簡単に自己紹介をすると、わたしは20代の女性で、統一教会の祝福二世として育ちました。高校までは熱心に教会に通っていたものの、その後は教会から離れ、今ではまったく信仰心がありません。


宗教二世の方は、「二世である」ことが原因で、様々な場面で悩んでいるかと思います。なかでも、「結婚をするときの親との関係」に困っている方は多いのではないでしょうか。


統一教会では、教義上、二世が教会以外の人と恋愛し結婚するのは最大のタブーとされています。そんな統一教会の二世であるわたしは、昨年、お付き合いしていた一般の方との結婚に踏み切りました。※統一教会とはまったく関係のない方を「一般の方」と呼ぶことにします。


今回はそのときの経験談を、「親との関係をどう乗り越えていったか」を中心に書いていきたいと思います。



■親の反応は…



わたしの親はどちらも熱心な信者で、父親は教会で働いています。若い頃は海外で宣教をしていたくらいだし、今でも毎朝毎晩しっかり祈祷会をやり、毎週日曜には欠かさず礼拝に行っています。


そんな両親なので、わたしが彼氏と結婚をしたい、と打ち明けたとき、当然ものすごく拒絶されました。


「到底受け入れられない」「あなたには数年後祝福を受けさせるつもりだったのに」「とにかくショック、鬱になりそう」「教会のことをちゃんと勉強すればそんな考えにはならないはず」などなど、いろんなことを言われました。


わたしは高校生までちゃんと教会に通い、それなりに活動もしていたので、その反動で余計にショックだったようです。


1回の話し合いで親が納得するはずもなく…


帰省するたびに、居心地悪い思いを抱えながら、それとなく「○月に相手の親に会いにいく」「○月に籍を入れる予定だ」ということを伝えました。


また、「親が教会を信仰していることに今更反対するつもりはない、でもわたしは今後教会に関わるつもりは一切ない」ということを一貫して主張し続けました。


今まで、親に自分の意見を強く主張した経験がなかったので、このときが一番、心が折れそうでした。

悩んでどうしようもなくなったときは、彼氏に愚痴を言ったり、ツイッターでも、同じ二世の方にたくさん励ましていただきました。



■時間をかけて少しずつ



結婚することを伝えて3か月ほど経ち、初めて彼氏を親に会わせました。


4人で話し合うとき、親は「教会の教義的にもこの結婚は表立って認められない」「最低限既成祝福を受けろ」「(彼氏に向って)教会の人間ではないから、息子と思えない」と、あくまで結婚を認めない立場でした。


それでも、その半年後、2回目に彼氏と親が会ったときは、「次はどこに行こう」という話題が出るなど、少しずつ打ち解けてきたようでした。

親が反対するのは当然です。何十年も教会を信仰して、「わたしを教会の望む通りに育て祝福を受けさせる」ことで初めて彼らの信仰が報われるから。


決して子供が憎くて教会に従わせたいわけじゃなくて、子供のことを愛しているからこそ、自分が正しいと信じる道へ導きたいんだと思います。


だから、親からするとすぐには認められないし、とにかく「受け入れるまでの時間がほしい」のだと思います。


初めのうちは、認めてくれない親に対しての苛立ちがありましたが、そういった「親側の心情」も鑑みると、「受け入れてくれるまでがんばろう」と思う余裕が出てきました。


わたしは、プロポーズを受けてから入籍まで、1年2か月ほど時間をかけました。

(一般的には結構時間をかけたほうなのかなという気がします)


大まかには、『結婚の話を親にする→彼氏と親が会う①→わたしだけ帰省→彼氏と親が会う②→両家顔合わせ→入籍』という流れでした。


その間に、親としても、「わたしが結婚する」という事実を少しずつ咀嚼し、少しずつ諦めていったのかな…と思っています。



■わたしの人生はわたしのもの



最初は、1週間に1回ほどわたしに手紙を送り付け、「あなたはどうせ教会のもとへ帰ってくる」などと書いていた親でしたが、最後の方はもう何も言わなくなりました。両家食事会でも、事前に話し合いをした際は「相手の親にうちの宗教のことを話す」など言っていて焦りましたが、いざ食事会の場になると、教会の話題はまったく出ず、和やかに終わりました。


無事に結婚して半年以上経った今、親との関係は落ち着いていて、旦那と一緒に帰省した際も、わりと友好な関係を築けていると思います。


実際には、親がどんな気持ちでいるのかはわからないし、完全に認めているわけではないと思いますが、そのことについてあまり思い詰めてもきりがない、と個人的には思いました。



結局わたしにできることは、

自分が選んだ道でしあわせになることなのではないでしょうか。



親がどんな願いを子供に抱いていようと、どれだけ教会に繋げたがろうと、「親は親」で「わたしはわたし」なので。親の分の願いまで全部背負いこんで生きる必要はない・親の人生は親のもので、わたしの人生はわたしのものだ、と、結婚するまでの期間を通して気づくことができました。


それに気づいたとき、すっと気持ちが楽になりました。「二世は祝福を受けなければならない」と小さい頃から教えられてきた身としては、「自分の好きに生きていい」という当たり前のことにすら、気づけていなかったのです。


だからもし、「一般の方と結婚したいと言ったら親に反対される。自分は間違っているのか」と悩んでいる方がいたら、絶対にそんなことはない!と言いたいです。大丈夫、あなたはあなただから。



おわりに


結婚するまでの1年間、一般的にはおめでたいはずの「結婚」が、宗教二世だとこんなに重たく、悩ましいものになるのだと実感させられました。


また、それまで「親」として見ていた人間が、「宗教を盲目的に信じている信者」にしか見えなくなった瞬間もあり、今まで頼っていたもの・信じていたものが崩れていくような感覚にもなりました。正直、親と縁を切ることを考えたときもありました。

本当に辛かったけれど、無事に入籍し、親との関係も落ち着いた今となっては、親に流されるまま祝福を受けていなくてよかった、結婚できてよかった、と思います。


わたしのやり方が良いやり方だったのかはわかりません。例えば、とにかく先に入籍し、その後少しずつ親と和解していく、だったり、完全に親との関係を切る、だったり、いろんな進め方があるのだと思います。


あるいは、親との関係を優先して既成祝福だけでも受ける、など。


どのやり方が良いか悪いかなんて、他人が決めることはできません。

結局二世自身が、自分で選び、進めていくしかないのだと思います。

そして自分の頭で考え選んだ道が、その人にとっての正解なのだと信じています。


結婚にあたって悩んでいるすべての宗教二世の方にとって、幸せな結果となることを、心から願っています。

ここまでお読みいただきありがとうございました!


いち


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