初めまして。旧統一教会の二世として生を受けましたRayと申します。
高校3年生まではtwitterでよく聞くいわゆる「バリ教」というやつでした。
え?「バリ教」ってなんぞや??
そう思った方の為に一応説明しますと、バリ教とは真面目に信仰している人のことを指します。
祈祷や訓読や礼拝参加はもちろんのこと、学生会活動やJr.STFというリーダーシップ育成プログラムにも参加するほどには真面目な二世でした。
しかし、徐々に教会に対し不信感や不満が募り現在は教会との関わりはほとんどなく一般人とさほど変わらない生活を送っています。
今私は22歳ですが、ここまで来るまでは長い暗いトンネルを一人歩いているような気分でした。
いまこれを読んでいる方は私と同じように苦悩されている宗教2世が大多数を占めているのではないかと思います。
そこで、今日は私の背中を押してくれたとっておきの1冊の本をあなたにもぜひ読んで頂きたいので紹介します!!
控えめに言ってこれ読んだ前と後では世界が違って見えます(笑)
では、ストーリーを紹介しつつこの本に散りばめられているアドバイスをお話ししたいと思います。
チーズはどこへ消えた?
著スペンサー・ジョンソン先生
https://www.amazon.co.jp/dp/459403019X/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_VfVIEb3SHN3Q5
ハイ。全世界2800万人が読んだビジネス書の金字塔のこちらの本。有名なので名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
IBM、アップル、ベンツ等の世界のトップ企業がこの本を社員教育に採用するくらいにすごい本なんです!
本作は全91ページで一時間もしないで読めてしまいます。
まだ読んだことのない方のために物語をめちゃくちゃざっくり説明しますね。
このお話の登場人物は、2匹のネズミのスカリーとスニッフと、小人のヘムとホーです。
彼らはチーズを探しに迷路を探検します。彼らはある日、大量のチーズがある「チーズステーションC」を発見します。
自宅からチーズステーションCに通い毎日チーズをたらふく食べては帰宅する幸せな毎日が続くと思っていました。
しかし、幸せはそう長くは続きませんでした。ある日、チーズステーションCに行くとあろうことかたんまりとあったチーズが空っぽになっていました。
小人のヘムとホーは慢心していたので、チーズがなくなった現実を受け入れられずわめきちらします。
そして、ここで待っていればまたチーズが戻って来るに違いないと期待します。
しかし、ネズミのスカリーとスニッフは、日頃からチーズの匂いを嗅いだり状態を観察したりしていたのでチーズが消失しても
小人たちのように落胆せず、すぐさま新しいチーズを探しに迷路に飛び込んで行きました。
小人たちはチーズステーションCでチーズが戻って来るのを待ち続けますが空っぽのままです。
空腹でしびれを切らしたホーはついに迷路へ入り新しいチーズを探しに出かけることを決意します。
そんなホーに対しヘムは「ここで待っていたらいつしかチーズが戻って来るかもしれない。何より迷路の中は暗くて何があるかわからないところに
行くのは怖い。もしチーズがなかったらどうするんだ?」とホーに投げかけそこに一人止まります。
しかし、ホーは「人生は進んで行く。俺たちも進まなきゃ!」と言い残し迷路に出発して行きました。
出発したのはいいものの、「先に何があるんだろう・・・危険かも・・・」と怖くなり立ち止まってしまいました。
そこでホーは自分を客観的にみて恐怖のせいで悪い方に考えていると気づきました。もし恐怖がなかったらどうするだろう?と考え前進します。
ホーは、新しいチーズを探して行く中で「新しいチーズは見つかっていないけれども、チーズステーションCにとどまっているよりかは断然に楽しい」
ということに気がつきます。そして、ホーはネズミのスニッフとスカリーのいるチーズの山の新しい「チーズステーションN」を発見できた!と言うお話です。
ここで言うチーズは私たちが求めるものです。例えば、仕事や地位、お金、友人や家族との関係などです。
迷路はそのチーズを追い求める過程を指しています。
統一教会2世である私の半生
話を戻しますが、私は信仰熱心で子宝に恵まれなかった両親の元に養子として貰われました。
幼少期の頃から親に連れて行かれ毎週礼拝に参加していました。
幼い頃は無知で自分であれやこれやと考えることは困難ですから親が全てでした。
しかも「二世は希望だ、特別な存在なんだ」と一世からはちやほやされ、誰一人陰口を言わない・争いのない温室のような環境。
原理を学び、悲しい神様を慰めることができるのは自分しかいないと自然と使命感を持つようになりました。
そして、時は経ち高校3年生になり悩むことが多くなりました。
上の人が多額の献金のノルマのために信者にいくら出せるのか聞いたり、その献金のために親族に借金して関係が悪くなったりサラ金借りたり。
礼拝に来ると大体しなびた服を着た大人達が疲れた顔をしていて、こっくりと居眠りをしている。
世界を平和にするためにやっているのに発信するはずの自分たちが全然幸せそうじゃないじゃん!!!自分もいずれこうなるの!?って不信感が強くなりました。
一番は今までは親に言われて教会に通っていた部分が多くありましたが、年を重ね祝福を受ける歳になったからです。
今は教祖の文鮮明氏が亡くなっているので、「父母マッチング」という親がマッチングサイトで選んだ相手と交流して祝福(結婚)するのが主流になっています。
自分の結婚相手を親に決められるって結構勇気がいりませんか?(笑)本当にすっごい嫌でした(笑)
でも、自分は二世だから祝福を受けるしか道はない。自分は敷かれたレールの上を走るしかない。二世として生を受けたから仕方がない。本気でそう思っていました。
これがもう完全に本の中のヘムの状態ですね。自分のチーズはもう無くなっているのに。変化に対する不安の方が現状に対する不安よりも大きかったんです。
しかし、ある時トリガーとなった出来事がありました。それは祖父の死でした。元々信仰がなかった祖父ですが、父に伝道され入会しました。
優しかった祖父は献金のために保険をいくつも解約しその多額の解約したお金を涙ながら献金していたそうです。
我が家は分家なので祖父は亡くなったら教会所有の墓地である尾瀬霊園に入る予定でしたが、いっぱいで入れないと聞かされました。
大いに教会に貢献した祖父なのに、亡くなっても入るお墓もないなんてひどすぎませんか。今も実家でお墓に入れずに待っています。
今流行りの樹木葬や海洋散骨などありますが、私は祖父が大好きだったのでお墓に入ってもらい多少無理をしてでも墓守をするつもりです。
ああ、結局宗教団体が信者の信仰をお金に変えて搾取しているだけなんだなと私は悟りました。
そして、脱会を決意したわけなんですけれども、本の中の迷路の中にいるホーのように「変わる」ということには恐怖や不安が付きまといます。
例えば、新学期になってクラス替えをする時は、すごくドキドキしましたよね?仲良い子は一緒だろうか、クラスの人と仲良くできるのだろうか等考えましたよね。
私の恐怖は
・血の繋がっていない私に愛情を注いで育ててくれたのに両親の期待を裏切るのは親不孝ではないか
・死んで霊界があったら堕落したら家族もろとも地獄に落ちるかも知れない
・ご縁がなくて30代になっても結婚できなかったら祝福受けた方が良かったったって思うかも知れない
・彼氏ができても宗教のこと理解してもらえないかも知れない。それだったら信仰度合い同じくらいの二世と祝福受けた方がいいんじゃないか
・一般結婚して家族と絶縁状態になってしまうかも知れない
・地元では信仰熱心で顔が知られているから信仰をやめたらみんなに影で悪い噂されるに違いない
と、ざっくりこんな感じです。
しかし、教会から一旦離れ一般の人と多く関わったり、同じように悩んでいる宗教二世の方と関わったりしているうちに自分はこれからどうしていくべきか明確にはなっていませんが
自分の人生を生きているという感じがしてワクワクして来たんですよ。そう、ホーが迷路の中で悟ったことです。新しいチーズは見つかっていないけれども胸が踊るんです。
私は、この楽しくなって来た時期にこの本に出会ったんですが、なるほどなと思ったのが「恐怖がなかったらどうするか?」という点です。
読んでいる皆さんは、ほとんど幼少期から教会に通われているでしょうから上に書いているように信仰を無くしたら地獄に行くとか言われて育ったのではないでしょうか。
教育という名のマインドコントロールで体に染み付いていますから、なかなかそれを取っ払って生きるというのは難しいです。
でも、もし恐怖がなかったら私はやっぱり一度しかない人生を親に押し付けられて生きたくないです。ヘムのようにとどまる人生は嫌です。
こうやって考えさせてくれたこの本に感謝しています。度々悩んだ時には読み返したいなと思います。
最後に
信仰生活楽しい!真のご父母お慕いいたします!!天のご父母様愛しています!!天の父母様教団最高!!!と思っている方に私は何も言うことはありません。
ここまで読んでいただきましたが結局自分の人生を変えられるのは自分しかいません。特に宗教二世なんてそもそも人数そこまでいないし周りからのサポートはほぼ皆無。
状況を変えたいのならば自分で切り開いて行くしかありません。
一度しかない人生を「恐怖」のせいで我慢して生きるのか、ホーのように恐怖がなかったらと考え自分の選択で生きるのかあなた次第です。
私もまだ模索中で迷路の中にいます。新しいチーズは見つかっていません。人生がより良いものになるようお互いに邁進して行きましょう。
この記事が少しでもあなたの背中を押せたのならば幸いです。またどこかでお会いしましょう(o^^o)
Ray
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