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エホバの証人2世の経験談

更新日:2020年5月7日


わたしは3,4歳のころ、家から家に訪ねてきた方により親が宗教活動をはじめ、宗教2世となりました。なので生まれながらの2世とはホンの少し違いますが、ほぼ物心ついた時から宗教をしている家庭で育ちました。


小さいころから,周りの子とは少し違うなと感じながらも、それでもそんなに苦労なく育ちました。


 一番最初に困った出来事は、小学校6年の卒業式です。その日にたまたま宗教の大きな集いがあり、そこで父親が浸礼を受けることになりました。基本的にこの宗教では学校行事より宗教行事を優先することを推奨しておりましたが、父親の大事な日ということで当然卒業式は欠席でした。後日校長室でもう一人いた同じ宗教の子と卒業証書を授与されました。


中学に上がってからは、課外活動(部活動)が出来なかったり、武道禁止の教義のために柔道が出来なかったりだんだんと周りと違うことが増えてきました。体育の先生は非常に怖い先生で、証言するのも大変でした。ただ、恵まれていたのは1年の時の担任だった関係で、体育の時間以外のことも知ってくれていたので、比較的すんなり認めてくれました。


高校(高専)に進学してからは、ますます周りの子たちとの違いが大きくなりました。先生たちからは「真面目でよく勉強する」と一目置かれていましたが、同級生からは馬鹿にされたり一緒に遊べなかったり苦労しました。(個人の裁量に任されてはいましたが、ウチの家では「カラオケボックスだめ」「ゲームセンターダメ」という感じでした。テレビも小学6年の時からありませんでしたから、はやりのドラマや音楽にもついていけませんでした。)


部活動も、音楽が好きでしたから吹奏楽部に入りたかったのですが、運動部並みの練習量、演奏する曲目が校歌やスポーツの応援など、宗教的に問題のあるものが多くて当然入れませんでした。


そして最も大きな問題となったのは進学でした。コンピュータが好きで技術系の進路を選びましたが、勉強していく中でコンピュータよりその元となっている数学に興味が移っていきました。


高専3年の時に出会ったY先生の影響も大きかったです。Y先生は東京理科大の数学科の出身で、ことあるごとに「数学は楽しいよ」と勧めて来られました。高等教育を非とする教義ゆえ高専への進学でも他の信者からは白い目で見られることがありました。大学への進学などもってのほかです。特にウチの場合は親が狂信的ともいえるほど教義にマジメで、わたしが大学の数学科へ行きたいと言ってから毎日のように話し合いという名の口喧嘩が絶えませんでした。


なんとか説得して、高専の5年の時に大学への編入試験を受けました。その条件は、かかる費用はすべて自分で賄うこと、手続きなども全部自分でやるということでした。


それは8月末のことでしたが、夏休みが7月下旬に始まってからは、日中は受験費用を稼ぐためのアルバイト、夜は宗教活動、勉強できたのは深夜の2,3時間のみでした。当然ながら不合格でした。


高専卒業後は、近所にできた書店で「学生アルバイト」として夕方5時から11時まで働きました。私の中ではまだ大学進学の夢は諦めていませんでしたので、お金を貯めてなんとかしたいと思っていました。


1年間は悶々とした日々を過ごし、2年目にもう一度チャンスをくれと親に言って前(高専在学時)に受けた大学と別の大学を受験し、何とか受かりました。2年間で貯めた数十万円をもって新たな地へ旅立ちました。


数学を選んだのはもちろん好きだったのもありますが、教義にある「ハルマゲドン」ですべてが滅んだ際に「役に立つ」ものは何か?と考えた末でのことでした。コンピュータの知識がいくらあっても、ハルマゲドンですべてが無くなったあと、一からコンピュータを作ることは無理だろうと思ったわけです。


大学3年に編入し大学院修士課程まで修了して社会人になりました。就職活動云々は①で書いたので割愛しますが、教義では「間もなく」この世の中が終わるとされていましたので、いわゆる「人生設計」というものもなく、その日暮らしという感じの生き方でした。


努力ということも「この世の中は終わるんだから」というある意味で「甘え」のような感情があり、なかなか出来ませんでした。


これは私の甘さではあるんだけど、誰しもこの感情はあると思います。よくある「もし明日地球が滅びるとしたら何する?」という質問に対して、多くの方は「好きなことを目いっぱいする」と答えていますよね。そんなときに「この資格を取るために頑張る」とか「将来に向けて云々」という回答は絶対にありませんね。


話を戻しますが、そんな思考で40歳まで生きてきましたので、必死になって頑張るということがなかなかできません。

自分のことを省み、こんな人が一人でも減ってほしいなと思い、微力ながら活動している次第です。


この世の終わりは来るの


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